木島日記

ジャケ買いした八雲百怪から興味を持った本。
最近発売された新装版の帯に踊る文字は
「あっては ならない 昭和史。」


木島日記 上 (角川コミックス・エース 125-3)

木島日記 上 (角川コミックス・エース 125-3)


部隊は戦時中の日本。
オカルトも科学も迷信も全て一緒くたにして、
何もかも総動員して戦争に勝とうとした時代。


実在の民俗学者 折口信夫
彼が木島平八郎の住まう古本屋・八坂堂を
偶然訪れるところから物語は始まります。
そして、古本の中から自らの名前で書かれた未発表の著書を発見し・・・


作画家の特徴なのか、変わった構図・パースの絵が多いです。
そのせいで、少々把握し辛い事もあるのですが、
作中に登場する稀代の巫女・美蘭の性質と相まって、
非常に不可思議な雰囲気を醸し出しています。


実在でありながら、その人柄に異説の多い折口信夫
その情報提供者とされる木島平八郎。
この本で紡がれる物語も1つの異説として楽しまれては如何でしょうか。


数多くの物語がベースにしている民俗学
その始祖とも言える折口と木島に興味を持たれた方にお勧めします。